Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人です。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

介護医療院

介護保険制度における介護療養型医療施設は、2012年以降新設が認められておらず、2017年度末を以て廃止される予定になっていたが、新施設に転換するための準備期間がさらに「6年間」延長措置がとられ(2度目の延長措置)、2023年度末までに転換準備を進めることになっている。

その転換先として4月から施設サービスに、「介護医療院」が新たに位置付けられる。

介護療養型医療施設が介護医療院に転換する場合、療養室の床面積や廊下幅等の基準緩和策がとられている。

また2008年に、介護療養型医療施設の転換施設として新設された療養型老健については、来年度以降、療養強化型と療養型の区分をなくし、療養型老健に統一された。

これは介護医療院が創設されたことで、介護療養型医療施設の転換施設としての療養型老健の歴史的使命が終了したという意味で、将来的には療養型老健も介護医療院への転換が図られ、老健は在宅復帰施設機能を持つものだけが残っていくと予測される。そのため今回の改正でも、介護療養型老人保健施設から介護医療院に転換する場合について、療養室の床面積や廊下幅等の基準緩和が図られている。

そうした中で介護医療院は、介護療養病床(療養機能強化型)相当のサービス(Ⅰ型)と、老人保健施設相当以上のサービス(Ⅱ型)の2つのサービス類型とされている。

その施設基準や対象となる利用者像から、今後の介護医療院の療養状況をイメージしてみた。すると経管栄養や喀痰吸引が必要な人が、ほとんど個人スペースのない療養空間で、日がな1日ベッドに横たわり、誰とのコミュニケーションもない状態で過ごすという姿しか浮かんでこない。

現在の療養病床でもよくみられる姿であるが、多くの患者さんが経管栄養か中心静脈栄養となり、そのうち半数以上の方が、痰がつまらないように気管切開されチューブが入っている。それらの人たちに対して、看護師が数時間おきに気管チューブから痰の吸引を行っているが、その際に見られるのは、吸引のたびに苦しむ患者さんの姿である。意識がない人でも、吸引のたびに体を震わせて苦しむ姿がある。それらの人々は、まるで苦しむためだけに心臓を動かし、息をし続けているようなものだ。

介護医療院がそんな姿の患者さんを収容する病棟になることを、国民は望んでいるのだろうか。決してそうではないと思う。

一方で、末期がんの患者さんが終末期を過ごすホスピス(緩和ケア病棟)では、家庭的な環境の中で、ターミナルケアの専門医やナースが、終末期を過ごす人々に寄り添う姿が珍しい光景ではなくなった。そこでは痛みがありペインコントロールが必要な患者さんに対しても、モルヒネなどの痛み止めを的確に投与して、痛みがない状態でがん末期の終末期を安らかに過ごし、旅立っていく人の姿がある。もがき苦しんで死んでいく人の姿はない。

療養病床で吸引のたびにもがき苦しみながら数年間を過ごす人と、その人たちよりは、寿命は短かったのかもしれないが、ホスピスで安らかな時を過ごし旅立つ人と、どちらが人としてふさわしい生き方といえるのだろうか。自分はどちらの姿になりたいのだろうか。

現行制度では、ホスピスは末期がんの人のみを対象とした終末期病棟だ。

そうであるのなら、新たに創設される介護医療院は、現行の療養型医療施設がそのまま名を変える施設ではなく、個人スペースやプライベート空間も十分しつらえられて、末期がんの患者さん以外の高齢者が、最期の瞬間まで安らかに過ごすことのできるために、緩和医療も提供される介護施設となっていくことが、国民が望む姿ではないだろうか。

長生き・長寿を唯一の価値観とするのではなく、悲惨な生き方を続けるよりも、人間らしい生き方を送るために、介護施設はどうあるべきかを考え、すべての人のリビングウイルを支える施設を目指すことが、関係者に求められていくことではないだろうか。