ソーシャルワーカー80年代の話し
任用資格としての社会福祉主事は別として、相談援助職の公的資格はなかった。
施設の相談員にしても、医療機関のソーシャルワーカーにしても、社会福祉主事の有資格者は多かったが、相談援助職そのものの資格はない状態で、ソーシャルワーカー等の名称を名乗っていた。(ソーシャルワーカーという名称に関して言えば今も変わりないが)
ソーシャルワーカーが資格化されれば、医療の資格に包括されて、医師の管理がより強くなり、ソーシャルワーカーとしての独自性が失われるという意見がある。
何か「おかしさ」を感じている事実。融通が利かないなあ、という感覚というか、資格が明確化されて身分や地位や確立されることで、ソーシャルワークの機能が縮小される、という論法に違和感。
1987年に社会福祉士という国家資格が法制化されたとき、これは医療の相談援助業務の資格とは一線を画した資格であると捉えていたはずだが。実際、福祉の現場職員のほうが当初の受験者は多かったように思う。
その後、医療の領域でも精神保健福祉士という資格ができ、医療機関のソーシャルワーカーも社会福祉士の資格取得者が増えている現実をみると、決して、これらの資格はソーシャルワーカーの活動領域を狭めることにはなってないし、きちんとした身分保障とスキルアップの動機付けには「国家資格」という形は必要であると。