新人教育について、OJTと称して現場に丸投げしていませんか?
4月1日に朝礼で新入職員に挨拶させ、先輩職員達に紹介した途端、介護サービスの場に新人を放り込んで、先輩の尻に金魚の糞のようについて歩かせることをOJTとは言えません。
その時期は座学を中心に、1週間なり2週間なりの期間を費やして、基礎知識を耳学問として学んでもらう必要があるのです。それを経て初めてOJTに移行して、耳学問を実地の場で、目で見て確認し、体で覚えてもらう必要があります。
しかもそこで行うOJTに不可欠となる要素とは、教える側の職員が教える内容について、きちんと根拠を持って説明できるということです。
「こうする決まりになっている」とか「自分は今までこうやってきた」というのは、OJTの際に教える根拠とはなりません。そもそもOJTとは、作業行程や仕事の手順を教えることではありません。介護サービスにおけるOJTでは、利用者の暮らしを支えるための援助技術を教える必要があるのです。
1日のルーチンワークをこなすための作業工程を教えて終わるのでは困るのですよ。そんなことは何の意味もないし、人材育成にも結びつきません。教える内容も担当職員によってばらばらで、教えるべきことの統一を図っていない職場は最悪ですよ。新人教育のためには、教育する職員の事前学習が不可欠なのです。
もしそのようなシステムが存在せず、教育が現場任せで不統一な状態になっている事業者があるとしたら、今日この瞬間からその見直しに着手すべきです。完璧なシステム変更は4/1までに間に合わなくとも、できる改善は行っておくに越したことはありません。特に新人職員に対するマナー教育は、今後の介護事業経営には不可欠です。
いつまでもお客様に対して、「タメ口」でしか接することができない職員がいる状態を放置して、職場としての成長のない場所には、「団塊の世代」の人々寄り付かなくなります。それらの人々に選択されるサービスとはならなくなってしまうのです。
しかしマナー教育ができる職員とは、自分自身が介護サービス事業におけるサービスマナーの必要性を意識し、マナーのある対応が実践できる人でなければなりません。今からでもしっかり先輩となり、教育係となる職員に対して、サービスマナーの徹底を図ってください。