Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人です。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

医師の重要な役割を放棄している現状

f:id:bochifuntou:20181004123550j:plain





看取り介護を実施するにあたって、対象者が終末期であると判断することは医師にしかできない。




医師は看取り介護対象者となる可能性のある人について、病状を把握して、その状態について医学的知見に基づいて終末期判定を行うわけである。






この時、終末期という概念が問題になるが、それは数週間ないし数カ月(およそ6ヶ月以内)のうちに死亡するだろうと予期される状態になった時期のことを意味しており、それが「一般的に認められている医学的知見」ともいえる。




このように終末期は人によって数週間ないし数カ月(およそ6ヶ月以内)という開きがあるのだから、医師は終末期診断に際して、同時に余命診断が同時に求められる。




なぜなら終末期であると判断した後、看取り介護に移行する場合に、お別れの時間がどれだけの残されているのかという予測は、看取り介護対象者・支援者双方に重要な意味があるからだ。当然それは看取り介護対象者の旅立ちに備えた、双方の心の準備という意味もある。




勿論、余命診断は目安であり、完全かつ正確にその期間内で看取り介護が終了するとは限らない。予測よりも短時間で別れの時を迎える場合もある。そこには様々な不確定要素が含まれているのだから当初診断された時期に多少の長短が生じることも当然あるだろう。




だからといってその時期が大幅にずれ込んで、年単位で看取り介護を行うということにはならない。もしそんなことがあるとすれば、それは終末期であるという診断自体がきちんとされていないという意味になる。




終末期判定がきちんと行われず、余命診断も行われていない状態の看取り介護があってよいわけがない。そもそも看取り介護がいつまで続くかもわからない状態は、看取り介護対象者と家族及び支援者にとって、先が見えないという状況を作り出し、最期の時間を共有しながら、お別れに伴うエピソードを作ることの大きな障害にもなりかねない。その状態は対象者も家族も常に不安を抱え、何をどうして良いかわからない状態に陥らせるかもしれない。当然それはQODにも影響し、その質は低下せざるを得ない。そうしてはならないのである。






先日、ある方から先日連絡がありました。
「看取り介護になってから1年を経過して、長期目標の期間が過ぎましたが、状態もほとんど変化はないのに、看取り介護計画であっても、更新作成が必要ですか?」




はあっ?看取り介護が1年以上続いているって、どういう状態だろう。その施設で看取り介護対象者を終末期と診断した医師は、終末期判定をどのように理解しているのだろう。前述したとおり、終末期とは、治療を行っても元の状態に戻ることは不可能で、積極的な延命治療を行わねば、余命がおよそ半年以内であるという状態である。これは一般的に認められている医学的知見である。




そして前述したように余命診断は看取り介護を開始するにあたって重要となるし、余命診断がきちんとできておれば、「看取り介護になってから1年以上経過しているが、計画は見直す必要はないか?」などという、おかしな質問がされるわけがない。




繰り返すが、本来終末期とは、余命半年以内の状態をいうものである。予想外の回復がないとはいわないが、その場合は看取り介護をいったん終了せねばならず、看取り介護を1年以上継続して、看取り介護計画を更新作成するということにはならない。




基本的には1年以上にもわたる看取り介護というものが存在することの方がおかしい。医師はそのことをどのように判断しているのか逆に聴いてみたい。終末期判定と余命診断を行うという医師の重要な役割を放棄しているとしか思えないのである。