日常的に家族の面会拒否が行われていた施設のはなし
ホーム側の言い分は「会うと自宅に帰りたくなる」というものらしい。
5月に入居して、ホーム側から面会を断られ続け、一度も会えないまま、やせ細って2月後の7月に入院したとの連絡を受けた、というケースもあった。
虐待があったかどうかは確実でないが、、、
しかし家族の面会を拒否すること自体が大きな問題ではないか。
住み慣れた自宅から、新たな生活場所である施設に移った方で、特に認知症の方や、本人の意思で入居した方でない場合には帰宅願望が強く出ることがある。
だからといって家族の面会を拒む理由になるのか?反対意見が多いと思う。
里心がつくから、ということを理由に、最初は面会を控えてもらうように家族にお願いする施設があることは聞いている。しかし、それは違う。
家族と離れて暮らす寂しさや、心細さは、家族が面会に来てくれないことで助長される。たまたま家族が面会に来た後、「帰りたい」と訴えるのは、訴える対象と機会ができたから。
家族が面会に来なければ、その訴えを心の中に閉じ込めて暮らさなければならない。そのストレスは非常に大きい。
施設側からすれば、そういう訴えの対象や機会をできるだけ作らなければ正面に出てくる帰宅願望という行動が現れないから安心というわけなのだろうが、それは、やがて欝や不安、心気症状など様々な別の問題となって表出してくる場合があり得る。
同様のグループホームでも、地域から信頼されているホームの、管理者へ「家族の面会の後に帰りたいという人はいますか?」と質問したことがある。
「そりゃあ、あるさ、だって淋しい気持ちはみんな持っているんだから、でも逢えないほうがもっとさびしい。家族にはむしろ、ホームにどんどん訪ねてほしい。家族が帰った後の寂しさのフォローは、僕らの責任だから」というような話を聞いたことがある。
まさしく、その通りと思う。
新規入所者の家族に「面会は毎日でもいいんですか」と聞かれて「最初は寂しがるから、慣れるまで面会は控えたほうが良い」という意味の話をしていることがあった。それは違う。施設が面会を規制したり、拒んだりすることはあってはいけないし、施設の環境に慣れることと、寂しさを我慢させることは違うことを覚えてほしい。
そういう雰囲気を作ることがまず大事で、誰に対しても誰かにあうことを拒む権利はないはずだ。
面会を制限している施設など、サービスの質は下の下と思う。