終末期ケアにおける介護支援専門員の役割は重要である
まず医療介護連携については、入院期間をできるだけ短縮しようという医療制度改革の風下にある問題で、国としては、医療から介護への付け替えを進めることによって社会保障費全体の抑制を図ろうとする意図を持っている。
しかしどのような意図が隠されていようとも、現実の状況として療養の場で暮らしを支援する必要性が高まり、それは介護サービスに医療が深く食い込んでくるという意味になるので、医療関係者・介護関係者の双方がコミュニケーションを密にし、お互いの仕事を補完しあう関係性を構築することが求められてくる。
その時、適切にコミュニケーションを交わす障害にならないように、介護関係者には医療の基礎知識が求められてくるし、医療関係者には介護の制度の基礎知識が求められてくることになる。
そして介護支援専門員には、日ごろから医療機関や医療専門職との情報チャンネルを確保し、利用者の持病を管理して健康に暮らすための支援計画を作成する姿勢が求められるし、病状の変化に対応したスムースな入院支援と退院支援が求められる。そのために2018年4月には、必要な基準改正が報酬改定と同時に行われた。
ターミナルケアマネジメントについては、それは実際に利用者が終末期になった際の支援やサービス計画の作成という問題にとどまらないことを強調したい。
最も大事なことは人生会議(アドバンス・ケア・プランニング:ACP)の過程を利用者が踏むことを支援するとともに、人生会議の中では終末期を含めた今後の医療や介護について、本人と家族が医療者や介護提供者などと一緒に話し合う際に、利用者の代弁者として、介護支援専門員がその使命を果たすことだ。
それはリビングウイルの支援という意味であり、介護支援専門員が果たすべき役割として最も重要なことと思う。