新人職員の教育差
新人にまず教えるべきことは、対人サービスであるから「接遇と言葉遣い」である。これは施設の決まりごとである。
真っ白な新人たちは、それらの指導を念頭において現場に入る。そして決められたルールを守って、自分たちの言葉や知識や技術を獲得していく。
だが、慣れが生じてくるとき、水が低きに流れるように、利用者に向ける言葉遣いも乱れてくる場合がある。その主な原因は、先輩職員の態度や言葉に影響されることである。
上司や先輩が日常、利用者にどのような言葉遣いをしているかで、新人の言葉の使い方も変わってくるのだ。
おもしろいことに、これは施設内でも差ができる。
グループケアやユニットケアが盛んに行なわれるようになって、職員の担当グループも固定化、小規模化すると、各グループで言葉の使い方に差が出てくる。良い方向に流れればよいが、特定グループだけ言葉の乱れが生じ、それが全体に影響すれば修正には多大な時間と手間がかかってしまう。
是非、先輩職員には新人の手本になる適切な態度や言葉遣いで日頃の業務に当たってほしいと思う。
箱の中のみかんは、たった一つの腐ったみかんにより、全てが腐ってしまうのだ。せっかく積み上げたもの、新しい力、どちらも生かされる職場でなければいけない。
そしてユニットケア、グループケアは、施設内で介護の品質アップの競争をするためにも利用して欲しい。お互い良い刺激をし合って利用者の暮らしをより良いものにしなきゃ嘘である。
だからといって他ユニットや他グループのサービスの揚げ足を取ったり、協力連携に無関心であったりするような施設内民族主義に陥ってしまってはいけない。
皆、誰しもが腐ったどろどろの姿になるより、オレンジ色に光り輝いた蜜柑の姿を保っていたほうが良いはずだ。
しかし、腐った姿は自分自身では見ることができず、他者からしか見えない、だがそれが実態という恐ろしさがあることを忘れてはいけない。