特定疾病の末期がんについて思うこと
2号被保険者が介護保険の認定対象になる特定疾病が16疾病であることは知っていると思います。
今回は、末期がんについて思うことを綴ります。
特定疾病に末期がんが追加になった理由は、若年者が末期がんとなっても、訪問介護などの必要なサービスに対応できなかったことから改善が図られたものである。
訪問看護については「末期がん」は厚生労働大臣が定める疾病に該当している為、介護認定を受けても引き続き医療保険の訪問看護を利用継続でき、その他のサービスとして介護保険のサービスが使えるわけで、訪問看護が支給限度額の関係で減らされるわけでもなく、結果的に医療保険の訪問看護を使いながら、上乗せして介護保険の各種サービスが使える点では利用者の便宜に資するものであると言える。
ただ、ここで問題は、2号被保険者の「末期がん」の方がすべて医師から告知を受けているわけではないということ。
そうすると、認知機能が衰えているわけではない理解力がある方が多いと思え、介護保険サービスを導入する段階で「なぜ介護保険が使えるようになったのか」という部分で、そうとう気を使わないと、「末期がん」であることを知らない方に、サービス導入自体が「告知」となり精神的な激しい衝撃を与えかねない。
場合によっては、必要なサービスの導入のために、医師や家族に末期がんであることの「告知」する必要性をあらためて問わねばならぬケースが出ていると思う。
担当となる居宅介護支援事業所のケアマネは、このようなケースに対応する場合、細心の注意が必要だ。通常のサービス導入の際の比ではないだろうと思う。
この問題は実質的に、ケアマネに対応を丸投げされている状況で、実際の現場で、対応に苦慮するケースが数多く出ている。
当然のことであるが、医師を含めた関係者との事前協議がより重要になってくるが、こういう問題点があるという医療チームの理解も不可欠であると思う。