無断外出について考えさせられた悲惨な事故
一昨日、北海道の特別養護老人ホームに入居する90歳の女性が、施設から無断外出し、大型トラックにはねられ大けがをしたとニュースがありました。
これは、介護の世界では実に難しいことです。
介護保険制度では、介護保険施設などのサービス提供にあたりベッドや車椅子にしばりつけるなどの身体の自由を奪う「身体拘束」は「緊急やむを得ない場合」を除き禁止されています。
病院でも同様に禁止されてますが、そんなことしてたら仕事になりませんので、例えば、高齢者の患者場合、点滴外しを防止するための身体拘束をさせてほしいと、入院すれば看護師がすぐに家族に書面で同意を得られます。
今回の場合、介護施設の扉のロックをしてなかったのは、正解です。
介護施設の扉をロックすることは、利用者の自由を奪うことなので身体拘束になります。
介護施設は刑務所ではないのです。
この玄関扉のロックは、施設によってしてる施設としてない施設があります、あくまでも身体拘束をしてはいけないと言うのは、介護施設にとっては建前であるからです。
今回の事故の場合、真面目に身体拘束になるからと施設の扉をロックしてないから、おこってしまった事故であると言えます。
扉をロックしなかった場合、利用者が1人で無断外出されないように見守りをしなければならないのです。
この場合の見守りは利用者の命を守る重大な見守りであるのですが、それをしなのいか、できないのか、玄関扉をロックする施設がほとんど思います。
玄関扉をロックしない介護施設も、夜間は職員数が手薄なので、見守りが不十分となれば、(1. 切迫性) と( 2. 非代替性)に該当しますので、夜間帯のみ(3. 一時性)施設の扉をロックしてるところが多いと思います。
身体拘束の難しさは、車椅子の利用者が立ち上がり歩こうとしたときに、「危ないから、歩かないで」と声掛けするのも、言葉による「身体拘束」になりますので、本来はだめです。
施設では、見守りの重要性が必須です。
扉をロックすることが当たり前だと思っているのではないでしょうか。
今回のような事故がおこると、それが良いとも悪いとも言えないですね、拘束よりも大切なものは利用者の命であるのは当然です、本当に難しい問題です。
あなたの施設は、大丈夫ですか?
介護の不思議な世界でした。