各国の社会保障制度について
各国の社会保障制度について
【各国の社会保障】
☆イギリス☆
・1601年にエリザベス救貧法(旧救貧法)、1834年に新救貧法(改正救貧法)が制定された
・ブースのロンドン調査……ロンドン市民の約30%が貧困線以下の生活を送っていることを示した
・ラウントリーのヨーク調査……ヨーク市民の約28%が貧困状態にあること、多くの貧困労働者が貧困状態に陥る時期が、子の養育期と高齢期であることなどをとらえた
・ウェッブ夫妻が提唱したナショナル・ミニマムの概念は、国家が国民に対して最低限度の生活を保障することである
☆ドイツ☆
・19世紀末、宰相ビスマルクの指揮のもとで制定された世界最初の社会保障制度は、疾病保険法(1883年)である
☆アメリカ☆
・1935年に社会保障という言葉を世界で初めて用いた法律、社会保障法が制定された。この法律は、1930年代の世界恐慌下、ルーズベルト大統領が打ち出したニューディール政策の一環として制定された
【各国の社会保障制度の現状】
☆イギリス☆
・医療保障では、税方式の国民保健サービス(NHS)が全国民に提供されている
☆アメリカ☆
・2010年、医療保険改革法が成立し、全国民に保険加入を義務付けた
☆ドイツ☆
・年金制度において、一定以上の所得のある被用者は強制加入、一定範囲の自営業者や無業者(学生・主婦等)は任意加入である
☆スウェーデン☆
・医療保障においては、費用の大半を住民所得税などランスティング(日本の県に相当)の税収によって補う
☆フランス☆
・医療保障において、社会保険方式で行われているが、原則として償還方式をとっている
【イギリスのベヴァリッジ報告】
・イギリス社会が克服すべき課題を①窮乏、②疾病、③無知、④不潔、⑤怠惰の「5巨人悪」であるとし、なかでも窮乏の克服が社会保障の目標であると定めた
・社会保障制度が機能するための前提として、児童手当、包括的な国民保健医療制度、雇用の維持をあげた
・社会保険、国家扶助、任意保険の3つの方法で社会保障を実現するとした
※この報告を受け、戦後のイギリスでは、家族手当法(1945年)、国民保険法(1946年)、国民保健サービス法(1946年)国民扶助法(1948年)など一連の法律が成立し、いわゆる「ゆりかごから墓場まで」への道が切り開かれた