Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人です。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

介護事業者を支える人材

皆さんが、介護事業者を支える人材に成長してくれることを願ってやまない。そのためにも各事業者の先輩指導者は、新入職員が介護の仕事にやりがいを感じて、その仕事を長く続けてくれるように適切に導かねばならない。

今日はじめて従業員として出社したにもかかわらず、基礎研修もないままに、いきなり介護サービスの場で先輩職員の後について歩き、介護知識や技術指導とは言えない指導しかできない職場に未来はない。日ごろ職員が行っているルーティーンを覚えさせようとするだけの職場では、多くの場合指導担当の先輩職員が、経験と勘に頼った指導しかできず、それは単に作業を教えるだけだから根拠ある介護実践につながらない。根拠もわからず、人によって異なる方法で行われている介護に不安を感じる職員は、短期間で職場を変えようとするか、我流の介護にどっぷり遣り、しなければならないことより、自分ができることしか考えなくなる。そうした職場の介護の質は当然下がるし、顧客や必要な人材からもそっぽを向かれることになる。

一方、基礎知識をこの時期にしっかり身に付けさせたうえで、OJTとして現場の実務で確認することができるシステムを創りあげている職場では、新人教育を担当する指導者も知識と技術を備えているだろうから、根拠のある介護実践につながる。そのため介護の仕事の経験がない職員も安心して介護技術を学び取ることができる。そこは人材が集まり育ち、定着する職場となる可能性が高い。

そういう意味では、この時期(あるいは就業前の3月の時期)にきちんと座学の時間をとって、基礎知識を耳から覚えさせることが大事だ。目で見て、手足を使って実際に行ってみるのは、耳学問をしっかり学んだあとである。それができない職場の職員の定着率は低いことは既に証明されている。そうした職場では介護の品質も上がらないから、志の高い人材が集まらなくなる。そして人手不足はますます深刻化し、品質の高い介護より、今できる介護で終わってしまい、働きたい職場からはますます遠のく。そのような悪循環が生まれて、常に人材と人員が足りずに、綱渡りの介護事業運営が続くような状態に陥る。

こうした負の連鎖を防ぐ唯一の方法は、アリバイ作りの新人教育を改めて、介護労働の方法論に根拠を持たせ、介護という職業の目的は何かということを明確にして、人の役に立つ職業に就きたいという人々の職業選択の「動機づけ」を護り、そのことが実現する職員教育を行うことだ。

そもそも新人教育がアリバイ作りに終わり、意味をなさない一番の原因は、教えたことを実践していないことに尽きるのだ。

入社式で職場のトップが、「礼儀正しく、言葉遣いも丁寧に利用者に接しましょう。」などと訓示するのは良いが、本当に職員が介護の場でそのことを実践しているか知ろうとしなかったり、現場レベルで態度や言葉のが生じているのに、それを問題視せず、改善もしないのであれば、その訓示は意味をなさない。そんな簡単なことにも気が付かない管理職が多すぎるのだ。

どんなに良い研修を行っても、現場レベルで職員の利用者に対する言葉遣いが乱れていたら、新人がそれに染まってしまうのは至極当然のことである。

研修でしっかり身に付けたサービスマナーを、介護実践で生かすように、管理職や介護リーダーが、日々繰り返しチェックし、少しほころびでも注意喚起し、修正していく役割があるのだ。このことを決しておざなりにしてはならない。

介護の仕事を選ぶ人は、「人の役に立ちたい」という思いを抱いている人だ。その動機付けを護り育てる新人教育が、人材確保という面で他事業者との競争に勝ち残っていく唯一の方法だ。

今、日本の介護業界を見渡せば、人材がいなくて介護の質が保たれないという事業者が実に多いのが現状だ。それに加えて人員不足で事業が継続できない事業者も出始めている。つまり介護事業経営の一番の課題は、いかに人員を集め、その人たちを人材となるように育て、人材が長く定着する職場づくりである。内部研修は何より重要で、その研修をおざなりにしないためのチェック機能や修正機能を持つためには、理念に沿った実践指導ができる現場リーダーの育成が何より大事だ。この部分にいくらお金をかけても無駄にはならない。

人材育成のシステムがない介護事業者が、今いくら収益を確保していようとも、それは砂上の楼閣である。

就業初日から、人の役に立つことをあきらめざるを得ない職場ではどうしようもないのである。今日という日が、志高く介護の仕事にやりがいを感じて就職してきた人たちにとって、そのことを「あきらめる」初日であってはならないのである。

介護経営者は、新年度のスタートに当たって、このことも肝に銘じ、人の役に立とうとする動機づけ、誰かのあかい花になろうとする動機づけを実現できる職場にしていかねばならない。