Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人です。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

ショートステイについて

ここでは要介護3以上の利用者を一定割合以上受け入れている事業所について、現行の看護体制加算(Ⅰ)・(Ⅱ)の算定要件である体制要件に加えて、さらに評価するという方針が示された。この場合、定員ごとにきめ細かく単位数を設定する案が示されている。

個別機能訓練加算は、特養と同様に外部の通所リハ、訪問リハ、リハビリを行っている医療機関の医師やセラピストなどと連携して個別機能訓練計画を立案した場合等に、従前以上の単位数を加算する案が示されている。

配置基準の変更としては、短期入所生活介護事業所と特養が併設され、入居者の処遇に支障がないことを前提に、 職員1人あたりの短期入所生活介護事業所(ユニット型以外)と特養(ユニット型)の利用者数の合計が20人以内である場合には、夜勤職員について兼務を認める案が示され、逆の場合(短期入所生活介護事業所(ユニット型)と特養(ユニット型以外))も同様に基準緩和される予定である。

これが実現すれば、夜勤者を1名減らすことができるケースが出てくるので、人件費コスト削減という面からは歓迎される基準緩和となろう。ただし現に現行基準配置で夜勤体制を敷いている特養+ショートについて、夜勤者が1名減ることは、夜勤者一人当たりの業務負担が増えることにつながる。そのため職員のその部分の理解が不十分なまま、夜勤配置を減らすことで退職者が増えるケースも考えられる。よってこの改正案が実現した場合の、事業管理者の職員への説明責任は重要になってくる。配置基準が変わったから、それだけを理由にして、業務負担増の対策や、職員の不安解消のための対策を何も講じずに、夜勤者を減員して職員がバーンアウトしてしまう愚だけは避けたいものだ。

さて以上が、ショートの収益増加につながる変更点である。これをみてわかることは、きめ細かく加算算定していかないと収益が挙がらないことが明らかだということだ。

一方でショートの最大の改定は、多床室と個室の報酬の「逆転現象の是正」であるとされている。

従来型施設の例でいうと、特養の施設サービスの場合、従来型個室と多床室の介護報酬は同額であるのに、併設型ショートの場合、多床室の報酬の方が従来型個室より20単位高くなっているのが矛盾しているというのである。よって多床室の給付費を下げて、個室の給付費と同額にするのが狙いであり、これは今週議論される短期入所療養介護も同様の指摘がされることだろう。

これは一見正論に聞こえるが、多床室の方が個室より介護報酬が高くなった経緯を知る人々に問って、それは屁理屈にしか聞こえない。

もともと介護給付費は居住費も含まれて設定していたために、個室も多床室も同額であった。そこから居住費が自己負担となったのだから、元の給付費から居住費を差し引いた額が新たな介護給付費となった。この時、個室と多床室の居住費自己負担額には差をつけて、当然個室の居住費の方を高く設定したのだから、元の給付費から居住費を差し引いた額は、額の大きい個室の居住費を差し引いた個室の介護給付費の方が低く設定されるのは当たり前である。

特養の施設サービス費も当初は同じ理屈で、多床室の施設サービス費の方が高く設定されていたのに、これもアメニティの高い個室の施設サービス費の方が低額なのはおかしいとされ、「逆転現象」という言葉で多床室の施設サービス費が削られて同額とされただけなのだ。

その時に手をつけなかったショートの介護給付費について、今回同じ屁理屈で多床室の給付費用を下げようとしているのである。

しかし居住費の負担は、多床室が320円で、従来型個室が1.150円であることに変化はなく、その差額は830円である。介護給付費が多床室の方が200円高く設定されていても、事業者に入る収入は多床室の方が630円低くなっているのだ。多床室と従来型個室の給付費を同額にするという意味は、この差をさらに広げ、事業者に入る収入差額が830円以上となるという意味だ。これが逆転現象の是正という論理で行われようとしているのだ。

しかし国が、僕がここで書いた理屈に気が付いていないわけがなく、本来この差額は逆転現象でもなんでもないことはわかっているはずなのである。そうであるにもかかわらず、それを知らないふりをして給付費削減に向かっているという意味でしかない。

関係者の皆さんは、この屁理屈に騙されてはいけない。その理屈はおかしいと現場からの正論を挙げていかないと、様々な屁理屈で今後も給付費は削減されていくことになることを忘れてはならない。もしかしたら次の次の報酬改定では、施設サービスとショートについて、両者ともに個室と多床室の報酬が横並びなのは不公正で、多床室の報酬をさらに下げて、個室の報酬の方が高くないと適正ではないという屁理屈が展開されるかもしれない。

それはショートステイの問題にとどまらず、様々なサービスで屁理屈が横行して報酬削減につながりかねないのである。