Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人です。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

介護の常識、世間の非常識

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介護施設に入所してる高齢者の方々は、暑い日に汗を流しながら、機能訓練や日課活動に取り組まれている。

しかしその人たちの日課や週課を振り返ってみると、月曜日の午前中に入浴介助を受けて、昼ご飯を挟んで午後から機能訓練に参加し、そこで汗をかかれても、その汗を流す機会は次の入浴支援を受ける時までないという暮らしを送っている人がいる。次の入浴機会とは、週2回しか入浴支援を行っていない施設なら、その日から3日後とか4日後とかになる。これって人の暮らしの質としてどうなのだろうと強い疑問を持たざるを得ない。

特養に勤め始めたとき、週2回のお風呂とか、時間ごとにしか交換しないオムツとかに疑問を持つ知識もなかったが、仕事を覚えていく過程で、人の暮らしとか、そこにおけるQOLとか、そもそも『生きるって何?』と考えていく過程で、介護施設の中の常識が、世間一般の常識と異なり、そこで行われる生活支援という行為や、介護といわれる行為も、決して世間一般の暮らしとは言えないもので、介護といいながら、心にかけず護らない低レベルな行為であることに気が付いて行った。

そのため週2回の入浴支援さえしておれば良いという運営基準は、最低基準でさえなく、人の暮らしとしては意味のない基準であると考えるようになる。現状にどっぷりつかって何も変えようとしない保守的な考えがまかり通る。「全員が毎日入浴したいって言ったらどうするの!!」とあり得もしない反対論がでると思う。

しかし介護施設の入浴支援で、一番大変なのは、週2回の入浴であっても、「さっき入った」などと言って、入浴を拒否する方に対する対応であり、全員が毎日入浴を希望することなどありえないというのは、誰にでもわかる理屈だ。できない可能性のみに目を向けて、できる可能性をすべてつぶしてしまっては、介護の質は永遠に上がらないのである。

そんな中で、入浴支援だけではなく、食事も栄養補給より、人の愉しみとして、おいしく食べることができる行為のために何が必要かを模索し、支援者が立ったまま食事介助することの危険性とあわただしさに気が付くようになって、その方法も変えていきたい。

プライバシーに配慮のない排泄支援は最悪であると考え、その方法も変えていく中で、廊下に行列を作って排泄支援や入浴支援を受ける暮らしの異常さにも気が付き、行列に並ばせないケアを模索している。

オムツをしている人が、「オムツが濡れた」と訴えているのに、「もうすぐオムツ交換の時間ですから待ってください」などと言って、時間ごとにしかオムツを変えない異様な世界は、世間の非常識だという意識を持つに至った。

そんな風にして、毎日の入浴支援体制を作り、さらに昼間汗をかいた体を、夕食後にゆっくり湯船につかって、1日の疲れをとり、汗を洗い流して眠ることができないかと、毎日ではなくとも、せめて曜日指定で夜間入浴に取り組めないかと模索している。

このように例を挙げればきりがないほど、特養にはびこっていた、「介護施設の常識は、世間の非常識」という状態を、一つずつなくしていく過程で、良い介護を目指す前に、当たり前の暮らしを護ることの大切さに気が付き、僕が勤務する特養は、いつしか地域の中でも優れたサービスを提供する施設と認められるようになった。