Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人です。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

次期介護保険改正は大嵐になる!

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 社会保障費の伸びについて、『「高齢化に伴う伸び」は、社会保障関係費に特有のものであり、一定程度やむを得ない増だが、「その他要因に伴う伸び」は、他分野と同様、制度改革や効率化等に取り組むことで抑制していかなければならない。』とし、『2020年度に向けて、社会保障関連費の伸びを、高齢化による増加分と消費税率引き上げと合わせて行う充実等に相当する水準に収めることを目指す』としている。



そのために、利用者負担増を求めるいくつかの案が示されている。




これまでも議論されてきた居宅介護支援費の自己負担導入について、「利用者負担がないことで利用者側からケアマネジャーの業務の質につ いてのチェックが働きにくい構造になっていると考えられる。 また特養などの施設サービス計画の策定等に係る費用は基本サービス費の一部として利用者負担が存在。既に一定の利用者負担の下に介護サービスが利用されていることを踏まえれば、居宅介護支援への利用者負担は、サービス利用の大きな障害にならないと考えられる一方、より一層ケアマネジャーの質のチェックに資すると考えられる」として、次期改訂での自己負担導入を提言している。




既に国の言うがままに方針を決める機関に成り下がった、「日本介護支援専門員協会」は、このことにも支持・賛同するのだろうか。注目したいところ。




 平成27年度介護報酬改定において、特養養護老人ホームの多床室の室料負担を基本サービス費から除く見直しを行ったが、介護老人保健施設、介護療養病床、新設される介護医療院については、室料相当分が介護保険給付の基本サービス費に含まれたままとなっているとして、次期報酬改定で負担を求めるように提言している。




給付抑制策としては、「軽度者に対する生活援助サービスやその他の給付の地域支援事業への移行」が真っ先に挙げられている。軽度者とは要支援者だけではなく、要介護1と2の人が含まれるので、これらの方々の介護給付サービスを地域支援事業へ移行して、財源負担を軽くしようとするものだ。ここには通所介護や福祉用具貸与なども、含んで議論されることは間違いないところである。




また訪問介護・通所介護をはじめとした居宅サービスについては、総量規制や公募制などの自治体がサービス供給量をコントロールする仕組みが十分でないとして、それらのサービスも規制対象にすることも提言されている。




本年10月から実施される市町村のケアプランチェック(標準回数より多い生活援助中心型サービス計画を市町村に届け出てチェックを受ける制度)については、保険者によるケアプランチェックのための指針等を早急に策定・周知するとともに、今後、ケアプラン点検の実績も踏まえ、利用者の状態像に応じたサービスの利用回数や内容等について標準化を進めるとして、この機能の強化を図ることが示されている。



 これらの方針が示されることは予測できたことで、少しの驚きもないのだが、驚いたのは、業界再編をあからさまに誘導する施策が示されている。




この資料では、今後直面する課題として、後期高齢者の増加 ・「支え手」の大幅な減少が挙げられているが、その対応策として、「介護事業所・施設の経営の効率化」が掲げられている。




論点として、『介護サービス事業者の事業所別の規模と経営状況との関係を見ると、規模が大きいほど経費の効率化余地などが高いことから経営 状況も良好なことが伺える。一部の営利企業においては経営主体の合併等により規模拡大は図られている。営利企業とその他の経営主体では同列ではない部分もあるが、介護サービス事業全体で見た場合、介護サービスの経営主体は小規模な法人が多いことが伺える。』としている。




そのため介護サービス事業者の経営の効率化・安定化と、今後も担い手が減少していく中、人材の確保・有効活用やキャリアパスの形成によるサービスの質の向上などの観点から、介護サービスの経営主体の統合・再編等を促すための施策を講じていくべきと提言し、さらに、介護サービス等の事業を行う複数の法人が、人材育成・採用などの本部機能を統合・法人化することで、ケアの品質の底上げや研修・ 採用活動のコスト減を図るなどの取組も存在して例をイメージ図で示している。



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そして介護サービスの経営主体の大規模化については、次の3点を提案している。
①こうした介護サービス事業の人事や経営管理の統合・連携事業を自治体が目標を定めるなどして進める
②一定の経営規模を有する経営主体の経営状況を介護報酬などの施策の決定にあたって勘案することで経営主体自体の合併・再編を促す、といった施策が考えられる
③経営主体について一定の経営規模を有することや、小規模法人については人事や経営管理等の統合・連携事業への参加を指定・更新の要件とする、といったことも考えられる




さらに88頁には、下記の図が示されている。この図の中に書かれていることをよく読んでいただきたい。
経営主体の大規模化に向けた施策イメージ
報酬改定等の施策の実施にあたって、一定の経営基盤を有する施設・事業所の収支差平均を勘案としているのだ。




この意味に気が付いているだろうか?これは次期報酬改定では、一定以上の事業規模の収支差率を勘案して報酬設定するという意味である。スケールメリットの働かない小規模事業者は収益が出ない報酬設定が当然であるとして、大幅ダウンさせるという意味だ。小規模事業者は統合・合併しないと倒産・撤退せざるを得ない政策誘導が進められていく。




そして指定・更新の要件に「一定の経営規模を有する」ことが入るのであれば、財産基準が設定されることも必然となる。それが一定以上にならなければ更新指定が受けられずに、事業撤退しなければならない大変なことがおこる。



社会福祉法人も、いよいよ1法人1事業(特養が併設の通所介護と居宅介護支援事業所のみ経営している本部を含む)では経営できなくなる。


早急に事業拡大を図って、経営規模の拡大を図らなければ、法人廃止かどこかの法人に吸収合併されてしまうことにならざるを得ない事態である。




どちらにしても大嵐になることが必至である。