自己決定と在宅介護の継続
介護施設では、入浴後に着替えをされる衣服も、本人に選んでもらうのが基本です。
決して介護職が勝手にタンスから出して用意はしません、非常識な施設はそれをしてるでしょう。
これは、利用者の自己決定を尊重しているのです。
たかが衣服とか思われるでしょうが、それが介護の基本です。
デイサービスに行かれる利用者が、「何を着ていこうか」と悩んだり、楽しんだりされて、自分で決められるのと同じです。
介護の基本は、「自立支援」「尊厳の保持」「自己決定権の尊重」等があります。
自己決定権の尊重は、要介護者が「どう生きたいのか」という思いをできるだけ叶えてあげることですが、ここで一番問題になるのが、「在宅で暮らしたい」「施設で暮らしたい」二者択一です。
60歳の方にアンケートをすると、約9割の方が将来は自宅で暮らしたいと答えます。
介護施設に入居されてる約8割の利用者が、不本意に思い自宅へ帰りたいのです。
ということは、介護施設のこの8割の利用者は、「自己決定権の尊重」が無視されていることになります。
在宅介護したいけど、様々な理由で泣く泣く、施設入居させなけれならないこともあります。
介護施設入所で一番多いのが、「在宅介護をしようと思えばできるけど、在宅介護したくない」という理由で、施設に入居されてる利用者が全体の約8割です。
しかし、現実は核家族化も進んでいますから、これ以上在宅介護の社会にはならないでしょう。
「せめて自宅で暮らしたい」自己決定を叶える可能性があります。
それは、訪問介護、訪問看護、デイサービス、訪問リハビリ、ショートステイ等の介護サービスを全ての面で、無条件に受け入れることです。
デイサービスに行きたくない、ショートステイに行きたくない方も「小異を捨てて大同につく」のように、それらの自己決定は我慢して、最終的な自己決定を実現させればいいのです。
ショートステイに月に15日間行くと、残りは15日間です。
その残りの15日間もデイサービス、訪問介護、訪問看護等を利用すれば、独居暮らし、老老介護等も乗り越えられる可能性が大いにあり、施設に入れなくて自宅での暮らしを継続できる可能性があります。
自宅で暮らしたいと願っておられる方は、そのあたりのことを良く考えて下さい。