特養に希望して入所する人はいない
よく言われることであるが、特養に自ら希望して入所する人はいないといわれる。そうであったとしても、我々介護関係者は、そのことを否定するのではなく、家庭・自宅が一番だと考える気持ちをもっともだと受容し、そうであるがゆえに、自宅より良い特養をアピールするのではなく、入所したくなかった施設であるとしても、いったん入所したら、退所したくなくなるような施設サービスを創りあげればよいと思う。
家族や自宅に勝つ特養である必要はない。家族や自宅が一番であったとしても、第二の居所として満足いただける暮らしをつくればよい。
家族にしても決して身内を特養に入所させるのを望まないかもしれない。その気持ちをも受容して、心配だろうけれども、私たち特養関係者も、利用者やご家族や、周囲の人々の気持ちを察しながら、皆さんが安心できる場所になるように努力しますよという結果を、利用者の笑顔という形で示すことができるようにすればよい。
そういう意味では、利用者の表情とか満足感が、特養のアウトカムなのであって、それは決して要介護度の改善という数値で示されるようなものではない。